発生と定量
(10/20 9:15~11:15)
定性的に説明されることの多かった発生生物学分野で、近年は物理的な性質を定量的に理解しようとする動きが活発である。複雑なシグナル伝達に関わる分子ダイナミクスとはどのようなものか?組織の中でどのように細胞が力を発生し形態形成が進むのか?本企画では、分子から細胞、さらには組織・個体レベルにおいて発生に関わる様々な物理的性質を可視化・定量化し、発生の根本的な理解を目指すアプローチについて議論する。
植物の発生
(10/20 15:55~16:55)
植物の発生は細胞の分裂、分化、成長の繰り返しにより、細胞の相対的な位置関係を変えることなく進行する。この発生様式は細胞運動を欠いている点で動物の発生とは大きく異なる。シロイヌナズナやイネといったモデル植物の研究により、植物特有の発生を支える分子的な基盤の理解はこの10年で飛躍的に進んできた。本企画では植物の発生に関してエピゲノム、細胞レベル、組織レベルの現象に着目し、最新の知見を紹介する。
Early Development of Cancer (in English)
(10/19 17:20~18:20)
Malignant tumors are caused by uncontrolled proliferation of transformed mutant cells that have lost the ability to maintain tissue integrity. The process of tumor development in which tissue organization is progressively disrupted appears to be contrast to embryogenesis or organogenesis. As cancer is alternatively dubbed as “neoplasm,” however, tumors arise as newly developing cells in a tissue. In fact, several issues in development biology such as growth and proliferation, angiogenesis and epithelial-mesenchymal transition are also can be seen in the process of tumor progression. In this session, we would like to discuss the early development of neoplasms which has been poorly understood.
がんの初期発生 (in English)
(10/19 17:20~18:20)
がんは、正常な組織に現れた変異細胞が、秩序立った組織構造を壊し、制御の利かない増殖を起こすことにより生じる。がんの発生とはつまり、協調的な細胞社会を破壊していくプロセスであり、胚発生や器官形成とはいわば真逆のものであるように見える。しかしながら、がんは悪性新生物とも言われるように、組織内に新しく発生してくる細胞群であり、これが発達する過程で、増殖成長、血管新生、上皮間葉転換といった、発生生物学のテーマが密接に関係してくる。今回のセッションでは、未だによく分かっていないこの新生物の初期発生に関して、最近の知見をもとに議論を行いたい。
発生と機能のイメージング
(10/19 11:40~12:40)
継時的イメージングは、分子や細胞の動態および機能を解明するにあたり、強力な手法として用いられている。本企画では、分子・細胞内領域・細胞群・個体の各レベルでユニークなイメージング法を用いる若手研究者が、研究を紹介する。それぞれの手法や研究の着眼点の、共通点・相違点・融合可能性などを議論することを通し、新しい研究領域の開拓に迫りたい。